25%の確率で大人になれた私 敬具
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拝啓 4歳の私へ
まだ現実をそう知らない頃でしょうか
父母の悲しそうな顔を知った頃でしょうか
辛い時に笑顔を貼り付ける癖、
今も直っていませんよ。
もっと傍に居て欲しいって素直に言えないことも、4歳の私が言えないなら、当然今も言えません。
楽しい、そんな感情を知るより先に
痛い、辛い、そんな感情を知ってしまって
どうして私はここにいるのって
白い天井を見上げてはそんなことを1人で考えてしまってはいませんか。
医者が「痛くないよ〜」と笑う時は
とんでもなく痛いことを知って、
医者は鬼だと感じてはいませんか。
だけどアナタが思ってるよりも医者は優しくて
苦しむ私の元にピエロの格好をしてやって来てくれますよ。
アナタが思ってるよりも、世界は優しいことにきっとすぐに気付くと思うよ。
気付いて、絶望したりもするけど、
だけどほんの少しの『普通』はやって来る日が来るから
今、必死に手を伸ばした先に母の温もりがなくても、泣かないで。
父に抱きしめて欲しいのに思うように動かなくても、泣いたりしないで。
4歳の私が思ってるよりかは、
随分と明るい所で自由に出来る日がくるから。
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アナタが今経験した手術は、これから何十回と経験しなくちゃいけません。
その度に泣き喚くけど、終わった後に食べるオニギリは、いつだって美味しいよ。お母さんお手製の鮭オニギリ。
美味しいって分かるだけで、幸せだね。
少し大人に近付いたら、また手術の為に入院して。の繰り返しだけど、
だけど大丈夫。結構人生悪くないよ。
恋もするし、失恋もするし
友達が出来たり、喧嘩したり
案外楽しいもんだよ、社会って。
辛いことがあれば、次は良いことしかないんだから
逃げてもいいから、止まらないでね
歩いてれば何か見つかるからね
拝啓 4歳の私へ
今も私は忘れてないよ。痛みも、何もかも。記憶の奥底にずっと離れないでいるけど
明日は今日よりいい日になるから、諦めないでね
アナタは余命宣告よりもはるかに長く生きれるよ
25%の確率で大人になれた私 敬具